高品質と短納期を実現するコンストラクタブルBIMモデル

コンストラクタビリティ（施工性）とは、施工前に建築物や構造物が時間、資源、費用の面で効率的に建設できることを保証することです。ビルディング・インフォメーション・モデリングが開発され、高精度の豊富な情報が格納されたAs-Builtモデルで業務の効率化を図り、着工前に潜在的な問題の早期発見や材料ロスを低減することができます。As-builtモデルは、予期せず追加費用やRFI（情報要求）を最小限に抑え、プロジェクトの収益増加につながります。

「BIMとは何か？」という問いに対しては、「コンストラクタビリティ」が答えの一部となるでしょう。当社において「コンストラクタビリティ」はBIMソフトウェア開発基盤となります。BIM（Building Information Modeling）の「I」が意味するようにモデルに含まれる情報が多ければ多いほど、すべてのプロジェクト関係者にとって有益なものとなり、BIMソフトウェアが建設業界や製造業界のニーズを満たすことができます。

課題としてのコンストラクタビリティ（施工性）

「施工性」は常に建設業者を悩ませる課題です。BIMソフトウェアは、各工程で発生する予期せぬ変更にも柔軟に対応し、ワークフロー全体をサポートする必要があります。複数の部材で構成されている建築物のように、BIMソフトウェアは個々の部材を正確にモデリングすることができます。

コンストラクタブルな As-Builtモデルを活用することで、設計の初期段階から情報に基づいた意思決定を行うことができます。Tekla Structuresは、材料の種類を問わず、豊富な情報を含む精度の高い構造BIMモデルを作成し、他のBIMモデルとの統合することが可能です。初期工程で入力されたデータは竣工時まで正確かつ大量に蓄積されます。建設業者は、容易な変更管理、干渉箇所の検出と不具合の回避、短工期と材料ロスの低減により高品質を実現することができます。

BIMの導入により、コスト50％削減した事例もあります。着工前に施工性の問題を解決することで不具合を最小限に抑えることができます。

ジョージア工科大学建築学部  教授  チャールズ・イーストマン氏

大規模、高品質、低コスト、短納期 が求められる現在

現在の建設業界のトレンドは、コンストラクタビリティ（施工性）を推進しています。業界の傾向として、建築物はますます複雑化が進み、設計者や施工者は革新的なソリューションを導入し、複雑性に対応する必要があります。安全施工、納期遵守を実現するには設計段階において正確な情報が必要となります。

コスト面においても、コンストラクタブルなBIMモデルは高品質、低コスト、短納期を可能にします。着工前の設計段階でに潜在的な問題を検出できるため、施工時の手戻りを未然に防ぐことができます。

近年トレンドとして注目されている「オフサイト建設」においても正確な情報が重要視されています。業界がコスト削減と自動化を推進する中でオフサイト建築の支持が拡大しています。鉄骨屋根の組立部材やユニットバスルームなど工場で製作されたユニットが予定通りに現場に搬入され、納期に合わせて施工されています。正確な現場施工を実現するために、各ユニットが正確に適合し、施工手順に沿って搬入する必要があります。同時に設計や製造工程で調整された正確な最新情報をプロジェクト関係者で共有、検索できることが不可欠となります。