トリンブル、「Tekla Global BIM Awards 2018」の 最優秀プロジェクトを発表
建築・建設業界を対象とするBIM(Building Information Modeling)ソフトウェアを開発および販売する株式会社トリンブル・ソリューションズ(東京ヘッドオフィス:東京都品川区、代表取締役社長:宮本 信太郎)は、隔年で開催し、各国からノミネートされたさまざまなBIMプロジェクトを審査・表彰する「Tekla Global BIM Awards 2018」の最優秀プロジェクトを発表しました。BIMプロジェクト部門では、Eversendai Engineering社による未来博物館(アラブ首長国連邦、ドバイ)に最優秀賞が授与されました。
1999年に開始したTekla Global BIM Awardsは、構造設計におけるBIMの活用領域を押し広げ、革新性に溢れたプロジェクトを表彰する世界規模のBIMコンペティションです。このたびは、16カ国で開催されたローカルコンペティションでの優勝プロジェクトを含む140以上のプロジェクトがノミネートされました。審査員には業界のエキスパート5名(Christian Jahn氏、Elbert O. Speidel氏、Marina Korol氏、Craig Garrett氏、Jari Heino)を迎え、革新性や建設可能性、遂行状況、コラボレーションの4項目において、ファイナリスト16プロジェクトを客観的に評価しました。
「とても興味深くノミネートプロジェクトを拝見させていただきました。未来博物館は構造設計の限界に挑戦しており、革新的なモデリング技術を利用して実現できる創造性を窺い知ることができます。Tekla Structuresは、これほどまでに大胆な構造物を建設し、完璧に実現するのに必要となる詳細設計機能を持った理想的なBIMプログラムを有しています」と、審査員の1人であるElbert O. Speidel氏(カリフォルニア州立工科大学教授、アメリカ建築家協会メンバー)は述べています。
各部門の最優秀プロジェクトは以下のとおりです。
Museum of the FutureBIMプロジェクト部門、公共施設部門、一般投票:未来博物館(アラブ首長国連邦)
未来博物館は、未来的なコンセプト、サービス、製品を集めた展示場と言えるでしょう。世界有数の複雑な構造物であり、設計段階で膨大な量のデータが必要になりました。Eversendai社はコラボレーションツールであるTekla BIMsightを活用しながら、屋根、ファサード、設備、RCCとの干渉チェックを行い、建設に着手する前段階で該当箇所を早期に修正したことも評価につながっています。
「Tekla Structuresは強力な3次元モデリング技術を備えた高性能のツールで、柔軟性の高いOpen APIにも対応しています。TeklaソフトウェアでBIMを管理すれば、プロジェクトの効率性や正確性が向上するのはもちろん、工程管理にも役立ちます」と、Eversendai社の設計・エンジニアリング部門ゼネラルマネージャーSreenivasa Rao Vipparla氏は語っています。
Luminary商業施設部門:ルミナリー(フィンランド)
21階建てのルミナリーは、高級マンション、オフィス、駐車場を備え、設計事務所、施工業者、製造業者間のハイレベルなコラボレーションを必要とする難易度の高い複雑な構造を有しています。設計事務所とプレキャストコンクリート製造業者間をリアルタイムでつなぎ、現場に置かれたBIM端末やさまざまなモバイル端末を駆使することで、プロジェクトチームがシームレスかつ効率的に協業したことが注目されました。
産業プロジェクト部門:ヒンクリー・ポイント原子力発電所(イギリス)
新しいヒンクリー・ポイント原子力発電所は、2025年から600万世帯に電力の供給を開始する予定です。この世界最大級の建設プロジェクトでは、詳細設計者300人以上、作業者3,000人以上を擁し、使用するコンクリートは300万トンにも及びます。プロジェクトをスムーズに遂行するため、Atkin社ではペーパーレスの建設を目指してBIMを最大限に活用しています。同社がTekla Structuresを使用して作成した詳細設計データには、すべての鉄筋の3次元モデルが統合されており、この点も審査員から高く評価されています。
インフラ整備プロジェクト部門:トラフィックプラッツ・ベガ(スウェーデン)
トラフィックプラッツ・ベガは、5本の橋梁と擁壁を備えた現場打ちコンクリートのインターチェンジです。この複雑なプロジェクトは、設計から建設まで2次元の図面を排除し、BIMモデルデータをベースに実施されました。ELU社は、この複雑な設計のモデリングのために、自社のニーズに合わせてTekla Structuresの独自のコンポーネントを開発しました。
スポーツ&レクリエーションプロジェクト部門:オプタススタジアム(オーストラリア)
西オーストラリア州パースに位置するオプタススタジアムは、2018年1月にオープンした6万席を有する多目的スタジアムです。Arup社とPDC社は、Open BIMのアプローチとさまざまなソフトウェアを採用することで、重要な情報を全関係者間で共有しました。これにより、時間短縮と効率性アップを実現するワークフローを生み出すことに成功し、予定より3週間前倒しでプロジェクトを終了させたことは大いに注目を集めました。
小規模プロジェクト部門:グラシエール駅(フランス)
グラシエール駅の建設プロジェクトにあたってBaudin Chateauneuf社は、非常にタイトな納期でメトロ6号線の他の駅と同一の階段を建設しなければならないという大きな課題に直面しました。同社はTeklaソフトウェアを使用することで、測量開始後3か月弱でプロジェクトを完了させることができました。BIMを利用することで短納期の課題を解決したことが、大きな評価ポイントとなっています。
学生部門:ブラック・シー‐トルム(トルコ、カラデニーズ工科大学)
ブラック・シー‐トルムは、サステナビリティ(持続可能性)を推進する博覧会のコンセプトと、IPD(インテグレーテッド・プロジェクト・デリバリー)の理念に基づいて作成されています。プロジェクトにかかわった生徒たちは、Tekla Structuresとさまざまなツールを併用しながら、相互運用におけるBIMの革新的な活用方法のデモンストレーションを行いました。また、カスタムコンポーネントを作成して屋根のモデリングの効率化も図っています。
特別優秀賞:カイヌー病院(フィンランド)
カイヌー病院は、大規模な木造プロジェクトで、BIMおよびBIMベースのコラボレーションが建設工程全体に採用されています。この病院の建設においてBIMは革新的な方法で活用されており、VRを実現するCAVE(コンピュータ・アシステッド・バーチャル・エンバイロンメント)や現場で利用するBIM端末、AR技術などの先進的なテクノロジーを導入していることに多くの注目が集まり、特別賞が贈られました。
本コンペティション、最優秀プロジェクト、その他エントリープロジェクトの詳細は、Tekla Global BIM Awards 2018の特設ウェブサイト(英語)をご覧ください。
本コンペティションの審査員の詳細はこちらをご覧ください。
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【Teklaソフトウェアについて】
トリンブルが提供するTeklaソフトウェアは、構造設計向けの革新的なBIMソリューションです。トリンブルは、先進的なソフトウェアからトータルステーションまで建設向けの幅広いサービスを提供し、建物の計画から施工、運営までを変革するツールを提供しています。Teklaソフトウェアは、設計・建設ワークフローの中心的な役割を担い、建設可能なモデル・情報のやりとりやコラボレーションをよりスムーズにします。Teklaソフトウェアの詳細はこちらをご覧ください。
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