ペッパーツリーの採石場
2013年、Sandvik社はクライアントのBoral社からペッパーツリーにある採石場のプロジェクトを受注しました。
オーストラリア、シドニーに位置するこの工場には粉砕機6機、スクリーニング(振動篩)9機、全長約3.4kmのコンベアベルト、全自動の全自動の積載装置があり、このプロジェクトはSandvik社が手がけた中でもかなり複雑なものでした。粉塵の検査と職場環境について定めた国内基準が変更されたことを受け、Boral社は2018年に、自社の工場に集中集塵装置を導入することを決め、Sandvik社に依頼したのです。Sandvik社は効率的な設計とプロジェクトの実行を目的として、長年のパートナーであるドイツのFB Filter Bau社とともにプロジェクトチームを編成しました。
この工場には60ヶ所以上の集塵ポイントがあるため、集中集塵装置の設計が課題になりました。既存の工場は複数のアプリケーション(Solidworks、Autocad、Tekla Structures)で設計されていたため、それぞれの3次元データはTeklaにインポートし、3次元データが無い部分は図面情報からTeklaでモデル化しました。
さらに、電気配線や給水、空調設備については、2013年以降行われた改修の内容を含めて全て詳細情報がありませんでした。そこで、Sandvik社は3Dレーザースキャンを実施し、再構築したTeklaモデル上で点群として統合し、実際の建物と相互に関連づけることにしました。3Dスキャンは地元のパートナーの支援を受け、Trimbleのフランスオフィスが実施しています。点群データを使用したことで、工場の3次元モデルをさらに精密なものにすることができました。これは集塵装置の設計に必要不可欠なものでした。最終的なTeklaの3次元モデルは、TeklaとAutodesk Inventor(パートナーであるFB Filter Bau社による)で入力された新しい集中集塵装置のモデルと、既設の工場モデル、スキャンした点群データが統合されています。
課題
主な課題は、複雑な新しい機器を既存の工場に組み込むことでした。工場はその想定がされておらず、さらに既存の設計図もすべてが利用できたわけではなかったのです。
Tekla StructuresとBIMのメリット、トリンブルの他のツールやソフトウェアの活用
他のアプリケーションからのインポートや過去のTeklaモデル、残りの部分の概略モデリングによって、Tekla Structureで既存のモデルと図面情報から工場の完全な3次元モデルを再構築することができました。これは、これまでに実施したことのない試みでした。トリンブルの3Dレーザースキャナーで既存工場をスキャンしたことで、モデルと実際の工場を比較することが可能となり、これはTeklaとAutodesk Inventorを使った新設機器の設計の基盤になっています。